Kyoto City KYOCERA Museum of Art
1933年(昭和8年)に昭和天皇の即位を記念する「大礼記念京都美術館」として開館。第二次世界大戦後には「京都市美術館」に改称し、現存する国内の公立美術館建築では最も古い建築物として親しまれています。建築家 青木淳・西澤徹夫の基本設計のもと大規模改修・増築工事を開始し、創建当時のデザインを活かしながら現代的な要素を加え、2020年春に新たな通称「京都市京セラ美術館」としてリニューアルオープン。現代アート等多彩な展示に対応する新館「東山キューブ」、レトロモダンな趣を感じさせる本館で開催される展覧会を通して、近代以降の京都の美術や現代アート、デザインなど、多様なジャンルの芸術を発信しています。憩いの場やイベント広場にもなる「京セラスクエア」、「中央ホール」、屋上「東山キューブテラス」など、パブリックスペースも充実し、より開かれた美術館として皆様をお迎えします。
嶋春香は、人と図像との関わりをテーマに、さまざまな時代や文化の道具が写った資料写真をモチーフに作品を制作してきました。
本展では、嶋自身が「庭」と呼ぶ自作の模型をモチーフとした新作絵画を手がけます。この「庭」に配置される植物や石、収集した骨董品や用途を失った道具、自作のオブジェなど様々なものは、作家との間にそれぞれ関係性をもちながら、それら自体は徐々に変化し、時に朽ちていく存在として「庭」を構成します。
タイトルの「仮縫いと野良仕事」が表すように、嶋はモチーフと自身との関係性を、庭と庭師になぞらえます。庭師が変化し続ける庭を手入れし一時的な完成形を作り出すように、作家も日々変化する対象を理解し、描き切ることを目指し絵筆を走らせます。本展で試みられるのは、嶋がモチーフと結んだ関係性の一時的な状態の提示であり、動き続ける絵画のあり方の模索といえるでしょう。
2024年2月26日(月)〜6月23日(金)