Kyoto City Kyocera Museum of Art
1933年(昭和8年)に昭和天皇の即位を記念する「大礼記念京都美術館」として開館。第二次世界大戦後には「京都市美術館」に改称し、現存する国内の公立美術館建築では最も古い建築物として親しまれています。建築家 青木淳・西澤徹夫の基本設計のもと大規模改修・増築工事を開始し、創建当時のデザインを活かしながら現代的な要素を加え、2020年春に新たな通称「京都市京セラ美術館」としてリニューアルオープン。現代アート等多彩な展示に対応する新館「東山キューブ」、レトロモダンな趣を感じさせる本館で開催される展覧会を通して、近代以降の京都の美術や現代アート、デザインなど、多様なジャンルの芸術を発信しています。憩いの場やイベント広場にもなる「京セラスクエア」、「中央ホール」、屋上「東山キューブテラス」など、パブリックスペースも充実し、より開かれた美術館として皆様をお迎えします。
現代美術の最前線で活躍する村上隆(1962年生まれ)の大規模な個展を、開館90周年を迎える京都市京セラ美術館において開催いたします。本展は、主に海外を中心に活動してきた村上にとって、国内で約8年ぶり、東京以外で初めての大規模個展となります。
かつて村上隆が企画した展覧会「スーパーフラット(Superflat)」は、2000〜2001年にかけて日本とアメリカの各都市を巡回、展覧会とともに発表された「スーパーフラット宣言」は、現代美術シーンに重要な影響を及ぼしました。その考えは、日本の伝統的な絵画表現とアニメや漫画、ゲームに代表される大衆文化を結びつけただけでなく、戦前から戦後の日本人の感性の有り様や社会の様相、さらには資本主義経済や政治、宗教をもフラットに捉え、あらゆる手法を用いて創作活動全体に取り込むことで、多種多様な作品を生み出し、アートの価値や本質的な意味を問いかけてきました。そのキャリアは、欧米が事実上の規範となっている国際的なアートシーンに、日本から独自の視点で挑み、刺激を与え続けてきた営みであると言えます。
村上が活動初期から深い関心を寄せてきた江戸時代の絵師たちが活躍し、今なお、あらゆる芸能と芸術が息づき交わり合うここ京都を舞台に、新たに描きおろした超大作をはじめ、代表的なシリーズ、国内初公開となる作品など、大多数が新作となる約170点で構成される新・村上ワールド「村上隆 もののけ 京都」にぜひご期待ください。
2024年3月5日〜2024年9月1日